ダンススクールを既に運営されている方、これからはじめる方いると思いますが、以前私が4年間運営に携わっていた都内大手のダンススクールで学んだこと、それから今そのスクールにアドバイスできることなどをまとめておきます。
ダンススクールには大きな戦略の柱が二つあり、
・入会を促進すること
・退会を防ぐこと
これにつきます。
この二つのことを念頭に置きながら話をお聞きいただくとわかりやすいと思います。
目次
スクールの料金体系の基本
意外と気が付かない方もいらっしゃいますが、料金体系はダンススクールの経営を大きく左右します。
簡単にダンススクールの料金は主に二種類あって、即金のチケット制と、引落としやクレジットカードなどによる月会費制です。
月会費制にする
これは断然月会費制をメインにした方がいいです。
即金のチケット制は一見良さそうに思うかもしれません。
特に会員からしたら忙しくなったらいつでもやめれるし、ありがたいサービスです。
しかし、スクール運営にとってもっとも肝になるのがリピートしてくれる(継続して通ってくれる)かどうかです。
会員目線というのも大切ですが、どんな会員さんでも必ず忙しい時期や倦怠期が訪れます。
そんな時モチベーションを保ってくれるものの一つとして「会費払ってるんだから行かなきゃ」というものがあります。
チケット制を導入することを否定はしませんが、必ず同時に月会費制も用意するようにしてください。
大手ではどうしているか
どうすると、チケット制と月会費制を共存させるかということですが、
私が以前の携わっていたスクールでは、チケット金額を月会費より割高にして、月会費会員へ誘導するようにしていました。
あくまで、メインは月会費制にするようにしてください。
料金体系を戦略に発展させる
実は、料金体系は経営戦略と絡めないと効果が上がりません。
料金体系は退会を防ぐことと密接なかかわりがあります。
退会を防ぐことを言い換えると毎月リピートして通ってもらうことです。
つまり会員にリピーターになってもらわないといけません。
もちろんダンスを習うことがメインなので、インストラクターの質、レッスンのタイムテーブルなども会員さんにとっては大事ですが、リピートをするためにはそれだけでは完全でありません。
料金体系を絡めた退会防止戦略
これは以前のスクールには欠けていた考え方なので、アドバイスとして書いておきます。
リピーターになるために最も大切なことはアフターフォローです。
人は買い物をした瞬間から後悔が生まれると言われています。
会員さんは、そんなマイナスの思考を持ったまま通い始めます。
ダンススクールへの「期待感」が、通ってみての「事後評価」を越えなかったとき、会員さんは「がっかり」します。
「事後評価」を上げる仕組みがアフターフォローなんです。
アフターフォローの種類
・新規会員に話しかける
・二週間以上休んでいる会員に連絡をする
・三週間続けたら何かプレゼントをする
やり方は、いくらでもありますが上記のようなフォローして会員さんから「私の事を気にかけてもらっている」と思ってもらうことが大切です。
今は、SNSが便利ですので、LINEなどで会員さんと友達になって「最近来てませんが大丈夫?」などのやり取りをすることもいいかもしれません。
経費を割いてプレゼントなどでフォローすることもできますし、お金を使わずに会話などをすることで心を近づけることもできます。
これが経営戦略の一つ目のの柱「退会をさせないこと」です。
集客をどうやって行うか
「入会を促進すること」がスクール運営の一番の肝になってくると思いますのでこちらも言及しておきます。
大手ではどうしていたか
私が以前の携わっていたスクールでは、集客にはそこまでお金をかけていませんでした。
新規入会のほとんどは、WEBから検索してきたという方です。
広告費は看板広告やフリーペーパーなども行っていましたが、今の時代はやっぱりインターネットですよね。
その他に、スタジオの立地条件が良いと直接訪れる方も結構いました。
上記の方法で、見込み客がスタジオを訪れたり、メールや電話などでお問い合わせがくるのですが、このスクールが優れていたのはその先でした。
見込み客を入会させる戦略
一言で何をしたかというと「入会無料説明会」を行いました。
頻度は毎週行いました。毎回10~30名ぐらいの規模で行いました。
説明会では、字のごとくスクール施設やレッスン内容などの説明をまず行い、ダンスのデモンストレーションなども行いました。
そして、一番優れている点は、「今だけ入会するとこんな特典があります」とうたいながらのクロージングです。
クロージング、つまりその場で入会してもらってました。
このスクールの成功のカギはこの説明会がすべてといっても過言ではありませんでした。
これからの集客戦略
これからスクールをスタートする経営者は、もしかしたら大手のやり方は真似できないと思ったかもしれませんが、そんなことはありません。
以前のスクールでも行っていなかった集客方法と無料説明会(クロージング)を絡めることでまだまだ成功できると思います。
集客方法なんですが、WEB広告ですね。
なんだそんかことかと思われた方もいると思いますが、これは本当に奥が深く正しいルールで行っている人は実は少ないです。
リスティング広告は、Google、Yahoo!、facebookなど様々ありますが、今はどの広告でも広告表示先の地域など対象を絞ることができるので、スタジオ圏内10Km以内とすれば本当に効率よく見込み客を捕まえることができます。
WEB広告の話は長くなるので、とにかくリーズナブルに見込み客を捕まえる方法があり、そのお客さんに対して、無料説明会などでクロージングをかけることで集客することができるというお話でした。
その他、大切な戦略
上記2つの柱ほどではありませんが、以前のスクールで学んだいくつかの戦略をまとめておきます。
キッズレッスン戦略
まず絶対作った方が良いレッスンはキッズレッスンです。
キッズのお客さんは大人とは違う思考をもっています。
一番の違いは、お金を払う人と、レッスン受ける人が違うという点です。
キッズ会員は大人の会員とは違いとても素直にいろんなことを吸収してくれます。
そういった意味では入会後のコントロールがとてもしやすくリピート率も高いです。
また友達を集めるという口コミ能力も高いです。
変にすれていないので、色眼鏡でスクールを批判することもありません。
絶対にキッズレッスンはやるべきです。
とはいえ、注意点もあります。
いじめなどが起きないように注意する。
保護者、特にお母さんの機嫌を損ねないように注意する。
注意点へはしっかりした配慮が必要ですが、一番大切なのはキッズレッスンのインストラクターの選定です。
まず、誠実で子供としっかり向き合える性格が一番重要です。
もう一つは保護者としっかり話ができることですね。
初心者対象戦略
私の頭の中では、ダンススクールに通う方の全体像は三角形、△こんな形だと思っています。
底辺にたくさんの初心者がいて、上級者になればなるほど人は減っていきます。
底辺の初心者は、人数も沢山いる上に会費もしっかり落としてくれるという属性を持っています。
レッスンタイムテーブル(ゴールデンタイムのスタジオをどのレッスンに割り当てるか)やレッスン内容をまずは初心者優先で考えることがとても大切になってきます。
流行りのジャンルに目を向ける
ダンスというのは、やはりかっこいいイメージがあります。
テレビなどを見てやりたいと思う人も多いので、ジャンル名は流行りをしっかり取り入れることが大切です。
以前はHipHopJazzというジャンルが一番人気でした。
発表会を行う
大きな収益源になります。
普通興行のイベントを行う場合は、チケットの集客が大変です。
発表会なら協力チケットという形で発表会に参加する会員からチケット代を徴収することができます。
まとめ
ダンススタジオを経営・運営するための注意点についてまとめてみました。
もしわからないことなどあれば気軽にお問合せください。